緊急事態宣言の解除を受け、学校の臨時休校期間が終わりました。
順伸クリニックの近隣地域の横浜市青葉区、あるいは川崎市麻生区でも週明けの6月1日月曜日から段階的に登校が開始される運びとなっています。
さて、学校においては、毎学年定期的に生徒の健康診断を行わなければならない、と学校保健安全法で義務づけられています。健康診断のなかには視力検査も含まれます。例年は進級した直後の4~5月に行われていたところでしたが、今年度に関しては登校させる生徒を段階的に増やしていくことなどを考えると、視力検査を含めた健康診断が実施されるのは9月以降になるのではないか?と思われます。(実際、私が校医を務めている都内の学校からは眼科健診は10月でお願いします、という依頼が先日届いたところです。)
ここで問題提起したいのは、臨時休校期間の間に近視を発症して視力が低下してしまっている生徒がかなり多いのではないか?ということです。
臨時休校の間は、不要不急の外出は自粛するよう努めていた方がほとんどで、当然ながら家にいる時間が増えます。室内では、自ずと近くを見る時間が長くなっていたと推察されます。オンラインで授業を受けていた生徒もいれば、youtubeで動画視聴に没頭してしまった生徒、あるいはゲームに夢中になってしまった生徒もいたことでしょう。いずれにせよ、PC・タブレット・スマホを視聴していた時間はこれまでよりも増えたのではないでしょうか?近方作業時間が長くなると、ピントを合わせる際に働く眼の中の毛様体筋という筋肉を著しく酷使します。毛様体筋が勤続疲労を起こすと過緊張を起こしてしまい、近方にピントが合ったままの状態になってしまいます。
これが「仮性近視」といって近視のはじまりの段階であり、視力低下の原因となります。
「仮性近視」は早めに治療を施してあげる・・・すなわち毛様体筋の緊張を緩和させてあげることで、ピント調節機能が回復すればいったん低下してしまった視力は回復します。
しかし、「仮性近視」の状態が漫然と続いてしまうと、本物の近視(=真性近視)となってしまい、回復は望めない状態になってしまいます。
つまり、視力低下が始まったら、治療が早ければ早いほど視力を回復できる可能性が高まりますが、治療が遅れれば遅れるほど回復が難しくなってくるのです。
このブログ記事を読んでくださっている皆様のお子様は大丈夫でしょうか?臨時休業中に目を酷使していませんでしたか?もしかしたら、視力低下(仮性近視)が始まっているかもしれません。しかし、いつになるか分からない学校の視力健診を待っていては、視力が回復するかもしれないチャンスを逸してしまうことになり得ます。
学校が始まったら、黒板の字が見えにくくなってないかお子様に訊ねてみてください。しかし、視力低下は急激ではなく徐々に進行するため、近視の初期は本人も見えにくいことに気づいていないこともあります。他人から見て分かりやすい近視発症のサインは、テレビを見る際に目を細めて見ている仕草です。お子様の視力が低下していないか気になった保護者の方は、学校の視力健診を待たずして順伸クリニック眼科で検査を受けることをお勧めいたします。当院では仮性近視治療による視力回復アプローチ、ならびに近視進行抑制に対するアプローチを行っております。
少しでも多くの学童の方の近視が早期発見され、早期治療によって視力が回復できることを願っています。順伸クリニックでは出来る限りのサポートをさせていただきます。