順伸クリニック眼科では、近視進行抑制に効果があるとされる低濃度アトロピン点眼液を取り扱っております。
シンガポールで開発された「マイオピン点眼液」は、日本でも手術の前処置薬や抗炎症薬として処方されている「1%アトロピン点眼液」を100倍に希釈した点眼液です。
(マイオピン点眼液=0.01%アトロピン点眼液)
上記グラフは、シンガポールにおける無作為臨床比較試験の簡易結果です。
(2006年のATOM1studyと2012年のATOM2study)
2年間でプラセボ群が-1.20D進行したのに対し、0.01%アトロピン群では-0.49Dの進行に留まりました。
つまり、(1.20-0.49)/1.20≒0.59 ですから、
2年間で近視の進行を約60%抑制した
ということになります。
(2019年に香港で報告された研究(LAMPstudy)では最初の1年間で27%抑制したとというデータもありますが、研究対象の基準に若干の違いがあるようです)
近視進行の病態生理は眼軸長が伸展することにありますが、マイオピン点眼液は眼軸長の伸展を有意に抑制することも明らかになっています。日本で行われた多施設同時研究(2019年のATOM-J)では眼軸長の伸展を18%抑制した、との結果が出ています。これは、調節緊張症(仮性近視)の治療で用いられるミドリン®M点眼液やミオピン®点眼液(いずれも参天製薬製造)には無い特徴であり、マイオピン点眼液がより優れている点といえます。
日本ではマイオピン点眼液は未だ認可に至っていないため、残念ながら保険診療外となっております。現在進行形で低濃度アトロピン点眼液の治験が国内で行われており、近未来に承認され薬価収載されれば保険診療で処方できるようになりますが、現時点では自由診療での取り扱いとなります。
近視がどんどん進行して困っているお子様とその保護者の方、近視進行抑制に興味がある方は、お気軽に順伸クリニック眼科を受診されてください。