アレルギー性結膜炎の初期療法

まもなく花粉症の季節が到来します。

スギ花粉やヒノキ花粉によるアレルギー性結膜炎(もしくはアレルギー性鼻炎)で毎年のように悩まされている方は今から憂鬱な気分になられているかもしれません。

今回はアレルギー性結膜炎に対する「初期療法」を紹介します。

初期療法とは、花粉症の際に使用する抗アレルギー剤の点眼薬を、花粉の飛散が始まる1~2週間ほど前からあらかじめ点眼を開始することで、いざ本格的に花粉症のシーズンに突入しても、全体的に低いレベルでかゆみの症状を落ち着かせることが出来る、というものです。

(参天製薬のサイトから引用)

今年の春の花粉飛散量は例年並みと予測されていますが、去年がかなり少なかったということもあり、今年は去年よりはアレルギー症状が強く発現するのではないか、と危惧されます。

花粉症の方は、症状が全くない今のうちから抗アレルギー剤点眼薬の使用を開始することで、来たるべきシーズンに備えましょう。

緊急事態宣言

政府は1月7日、1都3県に対して2回目の新型コロナウイルス感染症対策のための緊急事態宣言を出しました。

前回と違うところはいくつかありますが、そのなかでも私個人がホッとしたのが学校に対する臨時休校が要請されなかったことです。

(↑NHKの新型コロナウイルス特設サイトより)

日本小児科学会は、11月11日付で「小児の新型コロナウイルス感染症2019(COVID-19)に関する医学的知見の現状」というタイトルで学会としての見解をHPに公開しています。そのなかで次のように考察されています。

「学校や保育施設の閉鎖は流行阻止効果に乏しい」

「教育・保育・療育・医療福祉施設等の閉鎖が子どもの心身に影響を及ぼしている」

指摘されているとおりであると私も思います。

僭越ながら、眼科医として上記の補足をさせていただくならば、悪影響は視機能にも大きく及んでいる!!

去年1年間の臨床の現場で、臨時休校期間明けに久々に受診したらガクンと視力が低下していたという学童の症例を数多く経験しました。生活習慣を詳しく聞き取ってみると、休校で自宅で過ごす時間が長く、また外に遊びに行かずに(行けずに)、ゲームに熱中したりタブレットを視聴している時間がとても長くなっていた、という方がほとんどでした。

臨時休校と外出自粛のセットは視力にとっては最悪の組み合わせです。1日2時間以上の屋外活動が近視進行の抑制につながることが示唆されており、過度におそれて外出を自粛して引きこもりがちになってしまうことは近視進行の観点からみても好ましくありません。さらに自宅内でゲームやタブレットばかり見て一日の大半を過ごすとなると・・・もはや近視になれ、と言っているようなものです。

今回、臨時休校が要請されなかったことに関しては、文部科学省の判断は素晴らしいと評価したいです。そして、子供たちには放課後も外で大いに元気よく遊びまわってもらいたいです。過度な自粛を子供たちにまで強要しようとする愚民がもしいたら、上記の日本小児科学会の見解を100回読み返すことをおすすめします。