第7回:コロナウイルスの遺伝情報について

コロナウイルスの遺伝情報(ゲノム配列)を調べると、感染経路や変異などがわかるという。コロナウイルスは、主に「中国型」「欧州型」「米国型」に分類できる。今年の1月中旬に中国・武漢から中国型のウイルスが世界に拡散。欧州では1月下旬から2月上旬、変異した欧州型が無症状の旅行者により各国に広がったと考えられている。ほぼ半月ごとに変異し、17種類も存在するという。

米国ではニューヨーク州で欧州型が主流だったが、他の州では変異した米国型が多く報告されている。世界で感染者が増えるにしたがって、変異のスピードも上昇しているという。

本邦では、3月以降は主に欧州型によって全国に広がったという。1から2月に中国から日本に入ったウイルスは封じ込めに成功。しかし帰国者らによる欧州型の感染が全国に広がった。中国では厳重な渡航制限により、欧州型は検出されていないという。

英国の研究者は、7500人分のウイルスを解析して変異が198か所あると突き止めた。ウイルスは変異し続けると、感染力や毒性が高くなる可能性があるが、コロナウイルスに関してはまだ不明である。今後の研究が注目される。

入戸野 博